ヘッドレスCMSとは?背景からメリット、デメリットまで従来のCMSとも比較
KurocoはAPIファーストのヘッドレスCMSです。このページでは、ヘッドレスCMSについてご説明いたします。
ヘッドレスCMSとは
ヘッドレスCMSとは、従来のCMSでは存在していた「ヘッド(表示画面)」部分が分離されたバックエンドを扱うAPIベースのCMSのことです。
2016年頃には概念としては提唱され始めており当時は管理画面も「ヘッド」に該当するので、APIのみが提供されているものもありましたが、現在はほとんどのヘッドレスCMSが管理画面を持つようになっております。
ヘッドレスCMSとして一番有名なContentfulは2013年に創業されており、3000億円近い時価総額で評価されるなどWEBコンテンツの管理システムとして次世代を担う仕組みとして注目されております。
日本では、2020年頃から注目されだして、2021年頃から急激に注目が集まっています。国産のヘッドレスCMSであるmicroCMSも2021年9月に資金調達するなど注目の集まっているサービスになっています。
ヘッドレスCMSを運営する『株式会社microCMS』がZ Venture Capitalより資金調達を実施
また、エンタープライズ向けのヘッドレスCMSであるKurocoも2021年4月に正式版をリリースいたしました。
完全従量課金制!DX担当者に向けて、ソフトウェア資産を1ヶ月でWEBサービスに変身させるAPI中心設計の次世代CMS「Kuroco|クロコ」を正式リリース
その後、続々と国産のヘッドレスCMSがリリースをされています。
なぜヘッドレスCMSなのか?
従来のCMSは多くが2000年前半の最初のリリースがされており、基本的にはPCで閲覧するWEBページを更新することがベースの設計になっています。しかし、近年のインターネットはスマートフォンでの利用の方が多くなってきており、アプリやIoTなど様々なデバイスがインターネットに接続されるようになりました。
また、WEBアプリケーションはUI/UXや表示速度などが重視されるようになってきました。それに伴って、ブラウザ側のJavaScriptで動作するReact/VueJS/Angularなどのフロントエンド・フレームワークが登場してきます。
また、スマートフォンは最初の頃は常にオンラインではないこともあり、サーバとの通信を最小限にするというニーズも生まれました。
これらの流れにより、UI/UXに関わる動作は各デバイス上(フロントエンド)で処理をして、コンテンツやデータに関する処理はサーバ側(バックエンド)で処理をする方が効率がよいという考え方が生まれてきます。
そこで、これまでのUI部分も同時に制御する前提で設計されているCMSではなく、上記のようなバックエンド側でコンテンツやデータを処理することに特化してヘッドレスCMSが開発されました。
UI/UXとCMSが密接に繋がっていることでUI/UXの改善スピードが下がる
UI/UXとCMSがAPIで分離されることでUI/UXの改善スピードが劇的に改善する
人間中心設計(HCD)の推進もこのUI/UXの改善スピードが重要
こうしてヘッドレスCMSは時代の要求に沿った製品として様々なサイトに採用されています。
また、従来のCMSもこの流れをキャッチアップするようにAPI機能の実装を進めています。
Kurocoは従来型のCMSでしたが、従来型のCMSのまま単純にAPI対応をしていると、お客様に中途半端な価値しか提供できないと考え、大幅な改修を実施して全く新しいヘッドレスCMSとして誕生いたしました。
ヘッドレスCMSにはどのような種類があるのでしょうか?
続々とリリースがされているヘッドレスCMSですが、どのような種類があるのでしょうか?
大きく分けて提供方法とAPIの種類、持っている機能、出自で分類する事ができます。
代表的な製品 | 提供方法 | API形式 | 持っている機能 | 出自 |
---|---|---|---|---|
Kuroco | パブリック・プライベートクラウド | RESTful | コンテンツ管理 +APIマネージメント +パーソナライズなど様々な機能 | 従来のCMSをヘッドレスCMSに転換 |
strapi | オープンソース・クラウドのハイブリッド | RESTful or GraphQL | コンテンツ管理がメイン | 最初からヘッドレスCMS |
Contentful microCMS | クラウド | RESTful(GraphQL) | コンテンツ管理がメイン | 最初からヘッドレスCMS |
Wordpress Drupal | オープンソース・クラウドのハイブリッド | RESTful | コンテンツ管理 +パーソナライズなど様々な機能 | 従来のCMSにAPI機能を付与 |
Adobe Sitecore | 商用サーバインストール | RESTful | コンテンツ管理 +パーソナライズなど様々な機能 | 従来のCMSにAPI機能を付与 |
Kurocoは、4000社以上の実績と15年以上の歴史を持つRCMSをヘッドレスCMSとして完全に作り替えた製品になっており、後発ながら他社を上回る機能を保持しています。
WordpressやDrupalのような昔からあるCMSもAPIベースのインターフェースを用意しており、ヘッドレスCMSとしても充分に動作するサービスになっています。
また、商用のエンタープライズCMSもAPIを用意してヘッドレスCMSとしての用途をカバーするような機能追加がされております。
コンテンツ管理のみを考慮する場合は、最初からヘッドレスCMSとして開発されているサービスの方がUIなどが使いやすいというメリットがあります。しかし、コンテンツ管理以外のニーズに対して対応する必要がある場合には、コンテンツ管理以外の機能を持っている製品も検討するとよいかもしれません。
では、次からそれぞれの細かい違いに関して比較していきましょう。
ヘッドレスCMSのメリット・デメリット
ここでは一般的なコンテンツ管理がメインのヘッドレスCMSとしてメリット・デメリットを挙げてきます。
ヘッドレスCMSのメリット
主にフロントエンド機能を持っておらず、API機能が充実している点や開発が最近なので、近年のニーズを汲んでいることポイントになっています。
堅牢なセキュリティ
主な外部との接続がAPI部分に限定されるので、セキュリティが担保されやすくセキュリティが高い。
高いパフォーマンス性能
CDNが標準で装備されているサービスが多く、APIのレスポンスも高速になっておりパフォーマンスを出しやすい構成になっている。
ベンダーロックインからの開放
APIベースで接続されているので、仮にヘッドレスCMSを入れ替えたい場合にはAPI部分を主に考慮すればよく、リニューアルなどの時に全て作り直すような事態にはならない。また、部分的にヘッドレスCMSを利用する事も可能なので、サービスを併用して段階的に切り替えていくようなこともできる。
自由なデザインやUI/UX
ヘッドレスCMSでは、表示とコンテンツ管理が切り離された構成となるので、表示側はCMSの制限を受けることなく自由に制作することが可能になります。 また、フロントエンド部分のみ技術刷新することも容易です。
様々なプラットフォームへの展開
ヘッドレスCMSのコンテンツは、APIを介して様々なプラットフォームで表示できます。 そのため、デバイス間での互換が容易になります。例えば、Webサイトで利用していたコンテンツを、スマートフォンアプリやサイネージなどのデバイスへの展開が容易です。
開発者間の同時コラボレーション
フロントエンドとバックエンドが分離されているので、タスクの同時並行が可能になります。
ヘッドレスCMSのデメリット
主に技術の新しさによるノウハウの不足などがデメリットになりやすく、従来型のCMSと上手に使い分ける必要があります。 ただし、これは各CMS独自のものではなく、グローバルで利用できる学習内容になるので是非、新しい仕組みに挑戦いただければと思います。
Kurocoではこれらのデメリットを解消するために技術サポートを積極的に行っております。詳しくはサポートをご覧ください。
システムが分散されるので相互の接続などで慣れが必要
まず、フロントエンドとバックエンドが分離されていますので、この相互の通信に関しての技術的な知見が必要になります。
フロントエンド側でプログラムをする必要がある
バックエンドで行っていたプログラムがフロントエンドに移動してきたと言えますが、従来型のCMSに慣れているエンジニアは新しい言語を覚える必要があり学習コストがかかるものになります。
車輪の再発明になってしまうことがある
従来型のCMSはそれなりの歴史を持っており便利な機能が様々あります。ヘッドレスCMSは比較的に新しいこともあり細かい機能が揃っておらず、フロントエンド側で機能の実装をしないといけないことも多い場合があるようです。
Kurocoは従来型のCMSの良さも引き継いでいます。例えば、ページャー機能や前後のページ機能などは容易にAPI側の設定で実装できる機能が用意されています。
Q. どんなサイトでもヘッドレスCMSを利用した方がいいですか?
A. いいえ。ヘッドレスCMSには多くのメリットがありますが、そのメリットを充分に発揮できないタイプのサイトもあります。
しっかり比較検討をして選択をするようにしましょう。
従来型のCMSとヘッドレスCMSの両者を知っている開発者としてフェアな観点で一緒に比較検討させていただきますので、是非サポートまでご連絡ください。
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